医療脱毛によるやけどのリスクとは?やけどの原因や対策法について詳しく解説
医療脱毛は、ムダ毛をなくし、美しい肌を手に入れるために多くの方が選ぶ人気の施術です。
しかし、その一方で、やけどのリスクも存在します。
この記事では、医療脱毛によるやけどのリスクについて、具体的な原因や対策法について詳しく解説します。
医療脱毛を検討している方は、安全に医療脱毛を受けるためにも、ぜひ参考にしてください。
医療脱毛にはやけどのリスクがあるって本当?
医療レーザー脱毛では、レーザーを毛のメラニン色素に反応させることで熱を発生させ、毛根を焼き切って毛が生えてこないようにします。
レーザーを毛のメラニン色素に反応させる過程で毛根や毛乳頭、周囲の毛穴(毛包)は軽度のやけど状態になり、皮膚には赤みや炎症が生じることがあります。
レーザーを照射するときのジュール数(出力パワー)を低く設定すれば、熱の発生と同時に毛根や毛穴に対するダメージも減少するでしょう。
ただし、永久脱毛の効果は得られにくくなってしまいます。
毛根細胞を完全に破壊して再生を抑えるためには、適度なジュール数で熱を発生させてダメージを与える必要があるのです。
これが医療レーザー脱毛によるやけどのリスクが完全に排除できない主な理由です。
ただし、レーザー脱毛によるやけどは頻繁に発生するわけではありません。
適切な脱毛機器のクリニックで、熟練のスタッフが施術をすることで、やけどのリスクを低く抑えられます。
医療脱毛でやけどする原因
医療脱毛はムダ毛を処理する方法として効果的ですが、正しい施術方法でないとやけどのリスクがあります。
それでは、やけどの原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、医療脱毛でやけどする主な原因について詳しく解説します。
日焼けした肌にレーザーを照射した
日焼けした肌や元々色素が濃い箇所にレーザーを照射すると、熱が過剰に蓄積されやすいです。
これは、メラニン色素がレーザー光に強く反応するためです。
結果として、皮膚がやけどを起こしやすくなります。
医療脱毛を受ける場合は、日焼けが治まるまで待つか、専門医に相談して適切なタイミングで施術を受けるようにしましょう。
乾燥肌や敏感肌にレーザーを照射した
乾燥肌や敏感肌にレーザーを照射することも、やけどの原因の1つです。
乾燥した皮膚はバリア機能が低下しており、外部からの刺激に非常に敏感です。
レーザーの熱によって簡単にダメージを受けてしまうため、保湿ケアを徹底し、皮膚の潤いを保ちましょう。
施術前のシェービングが不十分だった
施術前のシェービングが不十分だと、肌表面に残ったムダ毛がレーザーの熱を過剰に吸収し、やけどの原因となります。
レーザー脱毛前には、しっかりとシェービングを行うようにしましょう。
また、シェービング時に肌を傷つけないよう慎重に行うことも大切です。
剃刀はなるべく使用せず、電気シェーバーなどで行うと良いでしょう。
脱毛した部位の毛が太い・毛が密集している
脱毛した部位の毛が太い、または毛が密集している場合、やけどのリスクが高まります。
これは、密集した毛がレーザーをより多く吸収し、皮膚に過剰な熱が加わるためです。
施術前にカウンセリングを受け、自分の毛質や肌質に適したレーザー出力に調整してもらうことが、やけどを防ぐ重要なポイントになるでしょう。
脱毛時のレーザーの出力が強すぎた
脱毛時にレーザーの出力が強すぎると、やけどのリスクが増加します。
強すぎる出力は皮膚に過度の熱を与え、やけどのみならず、多くの肌トラブルを引き起こす可能性があります。
特に初回の施術や敏感肌の方は、施術中に痛みや異常を感じた場合すぐに施術者に痛みを伝えましょう。
脱毛機自体に問題があった
脱毛機自体に問題がある場合、適切な施術ができずにやけどのリスクが高まります。
古い機器や性能が低い機器は、出力が不安定だったり、効率が悪かったりします。
最新の機器は痛みを軽減して高い効果を発揮する設計となっているため、安全性が向上しています。
そのため、最新の脱毛機を導入しているクリニックを選ぶことで、より安心して施術を受けられるでしょう。
施術を受ける前に、口コミや評価を参考に使用されている機器がどのようなものか確認し、実績のあるクリニックを選ぶことで、やけどのリスクを低減できます。
脱毛施術前に飲酒をしていた
脱毛施術前に飲酒をしていると、やけどや肌トラブルのリスクが増します。
アルコールには体温の上昇や血行を良くする効果があるため、皮膚が熱を持ちやすくなります。
その結果、やけどや赤み、腫れなどのトラブルが発生しやすくなるのです。
施術者の技術が不足していた
施術者の技術力は、安全に脱毛をするために非常に重要です。
技術が不足している施術者の施術は、やけどだけでなく適切な脱毛効果が得られない恐れもあります。
施術者は、患者それぞれの肌状態を確認し、個々の体質や毛質に最適な施術を提供します。
さらに、適切な脱毛機やレーザーを選定し、照射レベルを調整します。
しかし、医師や看護師であっても脱毛の経験が少ない場合、適切でない施術によるやけどなどのトラブルが発生する可能性があります。
たとえば、レーザーの出力設定が高すぎたり、照射のタイミングが不適切になったりなどです。
これを防ぐためには、信頼できるクリニックを選び、資格を持った経験豊富な施術者に依頼する必要があります。
事前カウンセリングで施術者の資格や経験を確認し、不安点をじっくり相談することでリスクを最小限に抑えられるでしょう。
医療脱毛でやけどをした場合の対処法
医療脱毛でやけどをした場合、どのように対処したら良いのでしょうか。
ここでは、医療脱毛でやけどをしてしまった際の対処法について解説します。
すぐに冷やす
やけどをした場合、最初に行うべき対処は冷却です。
冷水や氷水を使ってやけど部分を冷やすことで、炎症を抑えます。
しっかり冷却することで、やけどの深さや範囲を最小限に抑えられるでしょう。
ただし、氷を直接肌に当てるのは避け、タオルに包んでから使用するのが望ましいです。
また、冷やす際は、肌に優しい10度程度の冷水を使用し、冷やしすぎないように注意しましょう。
医師の指示に従ってケアをする
やけどを負った場合、速やかにクリニックを訪れて医師の指示に従って適切にケアすることが重要です。
医療脱毛は、やけどの治療が完全に終わり、色素沈着が改善した後で再開することになりますので、焦らず回復を優先しましょう。
痛みが和らいだからといって途中で治療を中断すると、やけど跡が残るリスクが高まります。
処方された薬は全て使用し、医師の指示を守りましょう。
医療脱毛で起こるやけどは治る?症状と対処法とは
医療脱毛は、ムダ毛処理を手軽かつ効果的に行うための人気の施術ですが、その一方でやけどのリスクも存在します。
しかし、迅速かつ適切に対処すれば、多くのやけどは完全に治すことが可能です。
ここからは、具体的な症状と対処法について詳しく解説します。
痛み・赤み
医療脱毛によるやけどの初期症状として痛みや赤みが現れることがあります。
痛みや赤みは炎症のサインであり、放置すると悪化するリスクがあります。
そのため、まずは冷水でやけど部分を冷やし、炎症を和らげることが大切です。
その後赤みが引かない場合や痛みが続く場合は、すみやかに医師の診察を受け、適切な薬を使用してケアをしましょう。
かゆみ
脱毛施術をすると毛穴や肌への熱ダメージが加わり、皮膚の温度が上昇するため、水分が失われやすくなり乾燥しやすくなります。
その結果、かゆみが発生することがあります。
そのため、施術後にかゆみを感じた場合は、しっかりと保湿することが重要です。
水ぶくれ
やけどが深刻な場合、水ぶくれが発生することがあります。
これは中度のやけどになっていることを示しており、破裂しないように適切にケアする必要があります。
水ぶくれは清潔なガーゼで保護し、傷口が乾燥しないように注意しましょう。
やけどの跡が残る恐れがあるため水ぶくれを破らないよう注意し、すぐに脱毛を施術したサロンやクリニックに連絡しましょう。
提携している皮膚科を紹介してもらえることもあるので、早く連絡するのが望ましいです。
自己判断での処置は避け、専門医の指示に従って適切な治療を受けるようにしてください。
蕁麻疹
医療脱毛後に蕁麻疹が現れることがあります。
これは光アレルギー反応の1つであり、基本的には自然に症状が良くなることが多いです。
しかし、強いかゆみが続いたり、広範囲にわたって症状が悪化したりしている場合は、医師に相談することをおすすめします。
医療脱毛によるやけどを予防する方法
ここからは、医療脱毛によるやけどを予防する方法について解説します。
医療脱毛によるやけどを予防する方法は以下のとおりです。
- 施術前の紫外線対策を怠らない
- スキンケアを怠らない
- 施術前のシェービングは充分行う
- 自分に合う脱毛機での施術を受ける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
施術前の紫外線対策を怠らない
医療脱毛を受ける際にやけどのリスクを減少させるためには、施術前後に紫外線対策をすると効果的です。
肌が日焼けしている状態で脱毛をすると、メラニン色素が増加し、レーザーが過剰に反応してやけどを引き起こすリスクが高まります。
外出時には必ず日焼け止めを使用し、長袖や帽子を着用するなどの対策をしましょう。
また、施術前には極力日焼けを避け、肌の状態を良好に保つことが大切です。
スキンケアを怠らない
医療脱毛後の肌はデリケートな状態になるため、保湿ケアを怠らないことが重要です。
施術によって肌が乾燥しやすくなり、かゆみや炎症を引き起こすことがあります。
特に施術後は普段よりもしっかりと保湿を行うことが重要です。
刺激の少ない保湿クリームやローションを使用し、肌に充分な潤いを与えるようにしましょう。
施術前のシェービングは充分行う
医療脱毛の効果を最大限に引き出し、やけどのリスクを最小限にするためには、施術前のシェービングを丁寧に行うことも欠かせません。
長い毛がレーザーに引っ掛かると、その部分が過剰に加熱されてやけどを起こす可能性があるため、事前にムダ毛をきちんと処理しておく必要があります。
シェーバーを使用して肌を傷つけないように注意しながら、ムラなく綺麗に剃ることが大切です。
シェービング後は肌が乾燥しないように適切な保湿ケアも忘れずに行いましょう。
自分に合う脱毛機での施術を受ける
医療脱毛には『蓄熱式』と『熱破壊式』の2種類の照射方式があります。
それぞれの特徴と効果を理解して、自分に合った脱毛機を選ぶことが重要です。
蓄熱式は、比較的低温のレーザーを徐々に蓄積することで毛根を破壊する方法です。
この方式は肌への負担が少なく、やけどのリスクも低いため、敏感肌の方や日焼けした肌に適しています。
一方、熱破壊式は高温のレーザーを毛母細胞や毛乳頭(毛を作り出す細胞)にあてる方法です。
効果を実感できるまでのタイミングの目安は蓄熱式が施術から約3~4週間後なのに対し、熱破壊式は施術から約1~2週間後と即効性があります。
蓄熱式よりも濃く太い毛や剛毛に効果がありますが、その分やけどのリスクが高いので肌に対するダメージが大きいのが特徴です。
やけどのリスクを最小限に抑えながら効果的に脱毛を受けたいのであれば、『蓄熱式』がおすすめといえるでしょう。
医療脱毛のやけどに関するよくある質問
最後に、医療脱毛のやけどに関する以下2つのよくある質問を紹介します。
- 医療脱毛でやけどが起こった場合は返金してもらえますか
- 医療脱毛でやけどになる確率はどれくらいですか?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
医療脱毛でやけどが起こった場合は返金してもらえますか
医療脱毛でやけどが発生した場合の返金対応はクリニックによって対応が異なるため、事前に確認しておく必要があります。
一般的には、やけどなどのトラブルが生じた場合、クリニックは治療費を負担するか、返金に応じてくれるでしょう。
ただし、対応はクリニックによって異なります。
契約書に明確な記載がない場合、まずは患部の写真を撮影し、医師から診断書を取得したうえで、通院にかかった費用の領収書などを用意してクリニックに相談することをおすすめします。
医療脱毛でやけどになる確率はどれくらいですか?
独立行政法人国民生活センターが直近の3年間に脱毛後、やけどや痛み、またはヒリヒリ感などの身体症状を経験したかどうかを尋ねたところ、25.5%の回答者(255人)が「ある」と答えました。
255人の内訳は、エステでの脱毛が112人、医療機関での脱毛が130人でした。
255人の脱毛後にやけどなどの症状が発生した方々に対し、施術前にどのような説明を受けたか聞いたところ、脱毛に伴うトラブルや副作用について説明を受けた方は67人(26.3%)でした。
つまり、7割以上の方が脱毛のリスクについて事前に説明を受けていなかったことになります。
やけどの発生率はクリニックの技術力や使用機器、施術前後のケア方法によって異なるため、信頼できるクリニック選びと適切なアフターケアが重要です。
事前に十分なカウンセリングを受け、リスクをしっかり理解しておきましょう。
参考: なくならない脱毛施術による危害 - 国民生活センター
まとめ
医療脱毛は、高い効果と持続性から多くの人々に利用されていますが、やけどのリスクも存在します。
万が一、やけどをしてしまった場合には、迅速かつ適切に対処をしましょう。
やけどを放置すると、炎症が悪化する可能性や、色素沈着や瘢痕が残るリスクが高まります。
この記事で紹介した方法を参考にし、安全で効果的に医療脱毛をしましょう。
また、安心して施術を受けるためには、施術者の技術とクリニックの実績を十分にチェックすることが重要です。
信頼できるクリニックを選び、契約前に返金ポリシーをしっかり確認しましょう。
クリニックの契約内容や評判を事前に調べておくことで、万が一のトラブル時にも適切な対応が受けられるように備えましょう。
記事監修医師プロフィール
美容皮膚科医,慶應義墊大学医学部卒
慶應義塾大学病院、大手美容皮膚科での勤務を経て2021年独立。
日本レーザー医学会正会員。
効果と安全性を最重視したレーザー治療を提供。