医療脱毛の適切な間隔は?部位ごとの間隔や間隔が適切ではないとどうなるか解説
医療脱毛は施術回数が多いほど料金が高額になるので、効率よく脱毛したい方も多いのではないでしょうか。
ただし、医療脱毛の適切な間隔は、部位ごとに異なります。
この記事では、医療脱毛を受けるのに最適な施術期間の間隔を詳しく解説します。
各部位の最適な施術頻度や、不適切な間隔で医療脱毛を行ったときのデメリットも紹介します。
医療脱毛の料金の相場についても取り上げるので、施術にかかる費用や時間を抑えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
医療脱毛の適切な間隔は?
体全体に自然と生えて来る毛には、成長期・退行期・休止期の3つの期間が存在します。
各部位の成長期の毛周期は以下のとおりで、2ヶ月程度で生える場合が多いです。
- 顔のヒゲ:1〜2ヶ月
- 脇:2ヶ月
- 腕:2ヶ月~3ヶ月
- 足:2〜3ヶ月
- VIO:1~2ヶ月
ただし、1つ1つの毛の周期が異なるため、成長期の毛だけは狙えず、成長している毛が最も多くなる1.5ヶ月〜2ヶ月ごとに脱毛を受ける必要があります。
少しずつ成長期の毛にレーザー処理を施すことで、生えてくる毛の割合が少なくなり、8〜10回ほど照射すると永久脱毛に近い状態となるでしょう。
【部位別】医療脱毛の適切な間隔
体の部位によって毛が成長するスピードが異なるので、適切な照射間隔を理解する必要があります。
部位ごとの適切な間隔(成長期の毛が最も多くなるまでの時間)は以下のとおりです。
- VIO(デリケートゾーン):1ヶ月~2ヶ月
- 顔(ヒゲ):1ヶ月~2ヶ月
- 脇:2ヶ月
- 腕・脚:2ヶ月~3ヶ月
- 全身:2ヶ月
各部位の医療脱毛の適切な間隔を詳しく紹介していくので、効率的に脱毛を受けたいという方は該当部分をチェックしましょう。
全身脱毛
全身脱毛とは、レーザーを照射できる全ての部位を脱毛する施術方法のことです。
顔・VIOは別プランになる場合が多いです。
人間の毛は場所によって成長サイクルが異なりますが、多くの部位は1.5ヶ月〜2ヶ月程度で成長期の毛が最も多く生えます。
そのため、全身脱毛の適切な間隔は、一般的に2ヶ月程度といわれています。
2ヶ月間隔で5〜8回ほどレーザー脱毛を受ければ、体全体の毛の永久脱毛ができるでしょう。
特定の部位の施術に比べると費用が高くなり、価格は10〜30万円以上と高額になるのがデメリットです。
VIO脱毛
VIO(V・I・Oライン)とはデリケートゾーンを指し、脚の付け根・性器・肛門の部分が対象範囲になります。
毛の生え変わるサイクルは遅く、1ヶ月〜2ヶ月間隔で脱毛可能です。
ただし、デリケートな部分だけあり肌トラブルが起きやすい部位なので、施術間隔は長めに取りましょう。
他の部位に比べて永久脱毛に必要な回数が多くなるものの、おおむね8〜10回程度の施術で退行期・休止期の毛を全て取り除けます。
VIO脱毛を10回行ったときの料金の相場は、10万円前後(8〜13万円)です。
顔脱毛
髪の毛やひげが生える顔の部分は、他の部位に比べて毛の成長速度が速く、1ヶ月で最も成長期の毛が多くなります。
そのため、顔脱毛の適切な脱毛間隔は、1ヶ月~2ヶ月と短めなのが特徴です。
整形とは異なりダウンタイムはほとんどないものの、毛穴の開き・顔の腫れが生じるので、一時的に見た目に悪影響を及ぼす恐れがあります。
VIOゾーンと同様に太い毛が多いので、明確な脱毛効果を実感するには、8〜10回ほど施術を受けなければなりません。
顔脱毛を10回受けたときの料金相場は8〜10万円程度と、VIO脱毛に比べて少し安く設定されています。
脇脱毛
脇の部分の成長期・休止期の間隔は比較的短く、2ヶ月ほどで周期が移り変わる場合もあります。
そのため、脇毛の周期に合わせて、2ヶ月〜3ヶ月ごとに施術を受けるのが特徴です。
処理できる毛の割合が大きいため、レーザーを5回ほど照射するだけで脱毛効果を実感できます。
8回ほど施術を受けるとツルツルの状態になるでしょう。
脇の医療脱毛を5回受けた場合の料金は2〜3万円と安価なため、他の部位に比べて手軽に受けられます。
ヒゲ脱毛
口周りの髭を脱毛するヒゲ脱毛は、髭を剃る手間を省けることから、男性の方に人気があります。
顔の脱毛を受ける場合と同様に、施術周期が1ヶ月~2ヶ月と短めなのが特徴です。
休止期間は短いものの、太くて根深い毛を処理するのに何回も照射する必要が出てくるため、8〜10回ほど施術を受けることでようやく効果が出ます。
施術料金は10回で8〜15万円と比較的安く、コスパの良い施術部位なので、気になる方はヒゲ脱毛を試してみましょう。
腕・足脱毛
腕・足脱毛では、脇やVIOの部分を除く、腕や足に生えている毛を脱毛します。
成長期間・休止期間ともにそこまで長くないので、1.5ヶ月〜2ヶ月周期で脱毛が受けられる場合が多いです。
他の部位に比べて脱毛しやすいこともあり、5回ほど施術を行っただけで脱毛効果を実感できます。
処理する範囲が広いので高額なイメージがありますが、5回コースであれば8〜10万円程度で受けられます。
医療脱毛で照射間隔をあける理由
それでは、医療脱毛を受ける際に間隔をあけないといけない理由は何なのでしょうか。
間隔をあける理由を把握するには、毛周期について把握しておく必要があります。
ここからは、医療脱毛を受ける際に間隔をあける理由を解説していきます。
毛周期とは?
毛周期とは、人間の毛が生えたり抜けたりする周期のことで、大きく分けて成長期・退行期・休止期の3つに分けられます。
成長期は文字通り毛が生える期間を指し、毛穴の中で成長する成長前期と、皮膚の表面に毛が生える成長後期が存在します。
成長期が過ぎると毛が小さくなる退行期に入り、ある程度毛根が縮むと毛が抜けて休止期に入ります。
部位によって周期が異なりますが、およそ数ヶ月程度で新しい毛に生え変わります
医療脱毛の効果があるのは成長期の毛だけ
医療脱毛の効果を出すためには、毛を作る組織である毛母細胞を変性・破壊して、発毛機能を喪失させる必要があります。
しかし、休止期に入ると熱を吸収する黒い毛がなくなり、毛母細胞までレーザーの熱が届かなくなるでしょう。
上記の要因により、皮膚の表面よりも上に生えている、成長期の毛だけにしか医療脱毛の効果がありません。
休止期の毛はすぐに成長し始める訳ではないので、間隔をあけて医療脱毛を受ける必要があります。
毛周期と脱毛回数の関係
脱毛を完了させるまでに必要な回数は、退行期・休止期の毛周期と医療脱毛の周期から算出できます。
たとえば、休止期1年のデリケートゾーンの毛根に1ヶ月半ごとにレーザー照射を行うと、12ヶ月÷1.5ヶ月=8回で効果が出ます。
ただし、太くて根深い毛に対しては、1回の照射では毛母細胞に熱が伝わりきらず、何度も施術を受けなければいけません。
上記の理由から、男性に人気のあるヒゲ脱毛を受けるときは、休止期間が短くても10回近く照射を行う必要があります。
医療脱毛で適切な照射間隔をあけないとどうなる?
医療脱毛で適切な照射間隔をあけないと、効率よく脱毛できないだけでなく、肌トラブルの原因になる場合もあります。
ここでは、照射間隔が短すぎる・長すぎるときに生じるデメリットについて、詳しく解説していきます。
施術の間隔が短い場合
施術間隔が短いと効率よく脱毛を行えそうなイメージがありますが、休止期間が短縮される訳ではないので逆に照射回数が増える可能性があります。
医療脱毛を行う間隔が短いときに生じるデメリットを述べていくので、気になる方はチェックしてみましょう。
施術回数が多くなる可能性がある
皮膚や毛根に刺激を与える医療脱毛を受けても、特定の部位の毛の休止期間が短くなるわけではありません。
そのため、施術の間隔を短くすると、逆に施術回数が多くなるかもしれません。
医療脱毛では、施術回数が多くなるほど費用がかさむので、金銭的にも大きな負担がかかります。
早く脱毛効果を得ようと焦ってしまいがちですが、適切な間隔で施術を受けましょう。
肌の負担がかかりやすくなる
医療脱毛を受けると肌にレーザーの熱が加わるため、軽く炎症を起こして腫れ上がります。
ダウンタイム(回復までにかかる期間)はほとんど存在せず、数日程度で腫れがなくなりますが、肌に負担がかかります。
短期間で何度もレーザー照射を行ってしまうと、ダメージが積み重なって火傷に至る危険性もあります。
肌にレーザーを照射する、医療脱毛を何度も繰り返し受ける場合は、最低でも1ヶ月はあけてから施術しましょう。
施術の間隔が長いと効果が薄れてしまう
医療脱毛の間隔が長すぎると、せっかく休止期の毛が生えてきても対処できず、また元の状態に戻ってしまう場合があります。
適切な間隔で脱毛を受ける場合と異なり、すべての毛を処理できなくなる可能性があるので、効果が薄れてしまいがちです。
間隔が長くても何度も脱毛を繰り返せば、いつかは効果が現れてくるものの、定期的に医療脱毛を受ける場合と比べると効率が悪くなります。
クリニックの予約可能な期間をしっかり把握して、金銭的・時間的に損しないためにも、適切な間隔で施術を受けるようにしましょう。
効率的に医療脱毛をするポイント
ここでは、効率的に医療脱毛を行ううえで、重要なポイントをいくつか紹介していきます。
面倒な肌トラブルを起こさずに、短期間で効率よく脱毛効果を体感したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
日焼け対策をする
レーザー光は、太陽光と同様に色が濃いほど光が吸収されて、大きな熱が生じます。
日焼けをすると、肌が黒っぽくなるので熱を吸収しやすくなり、平常時よりも大きな負荷がかかります。
レーザーの出力を弱められたり、ドクターストップがかかったりして効率よく医療脱毛を受けられなくなる可能性が高いです。
医療脱毛を受ける前は、日焼け対策をして肌を白い状態に保ち、効率的に施術を受けられるようにしておきましょう。
肌トラブルが起こらないように保湿をする
レーザーの熱により肌の水分が失われるため、乾燥肌などの肌トラブルが起こる可能性があります。
治療に1ヶ月以上かかるような重度の肌トラブルに見舞われる可能性は低いので、次回の施術には影響を及ぼしません。
しかし、肌トラブルが起きた時点でドクターストップがかかるため、思うように医療脱毛を受けられなくなります。
冬になると日差しが弱くなるものの、湿度が低くなるため、日焼けの代わりに乾燥肌などの肌トラブルが起きがちです。
日焼けだけでなく乾燥肌にならないように、保湿対策もしっかりしましょう。
自己処理で肌に負担をかけすぎないようにする
医療脱毛のレーザーは、皮膚の上に生えている黒い毛に対応するため、ひげを生やしていると大きな熱が生じます。
毛に溜まった熱はなかなか逃げず、火傷などの肌トラブルの要因になるので、事前に自己処理をして毛を短くしなければなりません。
しかし、カミソリ負けなどで肌にダメージを与えてしまった場合も、うまく施術できなくなるリスクがあります。
自己処理をするときには、毛根ごと抜き取ってしまう方法は避けて、肌に負担がかからないように優しく毛を剃りましょう。
予約をとりやすい時期に脱毛し始める
毛の休止期が決まっている関係で、1回目の施術を受けてからは、脱毛効果が出始めるまでの期間を短縮させるのが困難です。
そのため、1回目の施術を行うのが遅れてしまうと、脱毛効果が生じるまでの期間が長くなってしまいます。
人気のある脱毛クリニックでは、数ヶ月先まで予約が埋まるので、施術が完了する時期が大幅に遅れる場合があります。
初めて脱毛する方は、予約をとりやすい時期に脱毛し始めて、何回か施術を受けられるようにしましょう。
まとめ
この記事では、レーザーを活用した医療脱毛を行うときの、最適な施術間隔について詳しく解説しました。
また、初めて医療脱毛を行う方でも理解できるように、照射間隔をあけなければいけない理由についてもわかりやすく解説しました。
部位ごとの最適な期間を把握することで、施術時の費用・時間・リスクを最小限に抑えられます。
医療脱毛を検討している方は、記事の内容をしっかり理解して、効率よく脱毛できるようにしましょう。
記事監修医師プロフィール
美容皮膚科医,慶應義墊大学医学部卒
慶應義塾大学病院、大手美容皮膚科での勤務を経て2021年独立。
日本レーザー医学会正会員。
効果と安全性を最重視したレーザー治療を提供。
