医療脱毛後に毛が生えてくる?脱毛効果を高めるコツや適切な施術回数も紹介
「せっかく医療脱毛をしたのにまた毛が生えてきた」ということを耳にすると、なかなか医療脱毛に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、医療脱毛後に毛が生えてくるのか、その原因は何かについて解説します。
また、脱毛効果を高めるコツや適切な施術回数も紹介します。
脱毛施術完了後も長くツルツル肌を楽しめるような医療脱毛を計画しましょう。
医療脱毛後に毛が生えてくる?
医療脱毛はレーザーの熱により毛根を破壊するため、その毛根からはもう毛は生えてきません。
ただし、1回でツルツルになるわけではなく、回数を重ねるうちにほとんど生えなくなっていきます。
医療脱毛は基本的に「永久脱毛」であるといわれています。
しかし、さまざまな理由によって医療脱毛したはずなのに、しばらくすると毛が生えてくることもゼロではありません。
そもそも永久脱毛とは、「一生全く毛が生えてこない」ということではありません。
わかりやすくいえば「長期的な大幅減毛」ということです。
FDA(米国食品医薬品局)やAEA(米国電気脱毛協会)による「永久脱毛」の定義は、どちらも「一定期間経過後の毛の再生率が20%や1/3」などとなっています。
そのため、医療脱毛は一時的な減毛ではなく、長期的に毛が生えにくくなる「永久脱毛」といえるでしょう。
医療脱毛後に毛が生えてくる理由
せっかく医療脱毛を受けたのに、また毛が生えてきたという方もいます。
その原因としては、以下の5つが考えられます。
- 施術のときに休止期だった毛が生えてきたから
- 産後で毛が濃くなったから
- ホルモンバランスが乱れたから
- 照射漏れがあったから
- 施術時に白髪だったから
それぞれ詳しく解説します。
施術のときに休止期だった毛が生えてきたから
1つ目に、レーザーをあてたときに休止期にあった毛が後に生えてきたと考えられます。
人の毛は、「休止期→成長期→退行期」という毛周期で生え変わります。
医療脱毛のレーザーは、成長期にある毛根を破壊することで脱毛効果を発揮します。
休止期や退行期にある毛の毛根は破壊できません。
そのため、施術時に休止期や退行期であった毛が、数ヶ月経ち成長期になると生えてくることになります。
毛周期は、様々な要因で乱れることがあるため、成長期になった毛が生えてくることもあるでしょう。
産後で毛が濃くなったから
妊娠や出産によって毛が濃くなったことも1つの原因です。
まるで男性のように毛が濃くなったという方がいれば、逆に薄くなる方もいます。
女性ホルモンが減少し男性ホルモンの方が上回ると、毛が濃くなってしまいます。
ただし、出産後に月経が再開するとホルモンバランスも整うため、毛の濃さも元に戻るでしょう。
ホルモンバランスが乱れたから
妊娠・出産だけでなく、加齢やストレスなどでホルモンバランスが乱れることで毛が濃くなることがあります。
ただし、ホルモンバランスの乱れで毛が濃くなっても、医療脱毛で一度抜けた毛が生えてきているわけではありません。
産毛で目立たなかった毛がホルモンバランスの影響によって濃く太くなることで、また生えてきたように感じるだけです。
照射漏れがあったから
医療レーザーの照射漏れがあったことも原因の1つとして挙げられます。
照射漏れとは、本来照射すべき部位に適切なレーザーの熱が行き渡らず、上手く毛根を破壊できなかった状態のことです。
照射漏れは無料で追加照射をしてくれるクリニックが多いので、気になるときはクリニックで聞いてみると良いでしょう。
施術時に白髪だったから
施術時に白髪だった毛は、脱毛できずに再び生えてきます。
医療脱毛のレーザーは、毛根のメラニン色素をターゲットに毛根を破壊します。
しかし、白髪にはメラニン色素がないためレーザーが反応せず、脱毛効果が得られません。
白髪になると医療脱毛できなくなるため、若いうちに医療脱毛をすることをおすすめします。
医療脱毛したのに10年後に毛が生えてきたら?
もし、医療脱毛を受けて10年後に毛が生えてきたら、追加で医療脱毛を受けることをおすすめします。
医療脱毛を受けたのに生えてきた毛は、過去の医療レーザーで反応できなかった毛です。
産毛程度で目立たなかった毛が、何らかの原因で濃くなってしまうこともあります。
使用する医療レーザーによっては産毛に反応しにくいものもあります。
そのため、追加照射を受けると良いでしょう。
以下の記事では、医療脱毛をしても10年後に毛が生えてくる理由について解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
医療脱毛をしても10年後に毛が生えてくる?理由や効果を持続させるコツを紹介
医療脱毛完了後に毛が生えてこないようにするコツ
それでは、医療脱毛完了後に毛が生えてこないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。
医療脱毛完了後に毛が生えてこないようにするコツは以下のとおりです。
- 毛質や肌質に合った脱毛機械を選ぶ
- 毛質や肌質に合った照射方法を選ぶ
- 毛周期に合わせたタイミングで施術を受ける
- 適切な回数まで受け続ける
- 日焼け対策とスキンケアを徹底する
これらの5つのコツを順にわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
毛質や肌質に合った脱毛機械を選ぶ
医療脱毛で使用する脱毛機には、それぞれレーザーの波長に違いがあります。
脱毛したい部位の毛質や自分の肌質に合ったレーザーの機械を選ばなければ、十分な脱毛効果は得られません。
そのため、しっかりチェックして自分に合った脱毛機械を選びましょう。
アレキサンドライトレーザー|黒く太い毛に効果的
アレキサンドライトレーザーは最も波長が短いレーザーなので、毛根が深い毛には効果がありません。
黒に強く反応するため、黒くて太い毛に効果を存分に発揮します。
ダイオードレーザー|あらゆる毛質に効果あり
ダイオードレーザーは、長すぎず短すぎない波長を持つため、あらゆる毛質に効果があり少々の日焼け肌でも照射は可能です。
また、「熱破壊式」と「蓄熱式」の2種類の照射方法があります。
ダイオードレーザーで蓄熱式を選べば低出力での連続照射することが可能なため、痛みが少なくメラニン色素の少ない産毛にも効果を発揮します。
ヤグレーザー|深い頑固なムダ毛に効果的
ヤグレーザーは波長が最も長いため、肌の奥深い毛根にまで熱を届けます。
硬化した毛や頑固で他のレーザーでは効き目がなかった毛、男性のヒゲやVIOに十分効果を発揮するでしょう。
また、ヤグレーザーはメラニンへの吸収率が低いので、日焼け肌や色素沈着部位などにも照射可能です。
色黒で施術を断られた方は、ヤグレーザーを取り扱っているクリニックに相談すると良いでしょう。
以下の記事では、医療脱毛の機械について解説しています。
医療脱毛の機械についてさらに詳しく知りたいという方は、参考にしてみてください。
医療脱毛の機械はどれが良い?13種類の機械やレーザーの種類を解説
毛質や肌質に合った照射方法を選ぶ
医療脱毛はレーザーによって使用機械が異なるだけでなく、照射方法にも違いがあります。
照射方法には、「熱破壊式」と「蓄熱式」の2タイプがあります。
それぞれの特徴を理解して、自分に合った照射方法を知っておきましょう。
熱破壊式|黒い太い毛に効果的
熱破壊式のレーザーは高出力で毛母細胞を破壊することで脱毛効果を発揮します。
施術時には痛みを伴いますが、1〜2週間で効果を実感できる即効性が特徴です。
剛毛に対しては効果が高いですが、メラニン色素が薄い産毛には効果が期待できません。
そのため、部位や毛質によっては蓄熱式を選ぶ方が良い場合もあります。
以下の記事では、熱破壊式でおすすめの医療脱毛クリニックを紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
熱破壊式でおすすめの医療脱毛クリニック比較7選!選び方や蓄熱式との違いも解説
蓄熱式|産毛も日焼け肌もOK
蓄熱式のレーザーは、低出力レーザーを連続照射して毛根部分に加えて「バルジ領域」を破壊する照射方法です。
「バルジ領域」とは、毛の生成をつかさどる細胞を作り出す働きをする領域のことです。
蓄熱式は施術中の痛みが少なく、産毛にも効果を発揮し、色黒肌、日焼け肌にも照射できます。
また、照射スピードが速く施術時間が短いのも利点です。
ただし、効果が現れるまでに2〜3週間程度かかるため、即効性に欠ける点には注意が必要でしょう。
毛周期に合わせたタイミングで施術を受ける
毛周期に合わせたタイミングで施術を受けることで、医療脱毛完了後に毛が生えることを防ぐことができます。
先述したように、医療脱毛のレーザーは成長期にある毛にしか反応しません。
そのため、施術時に休止期や退行期であった毛は、数ヶ月経って生えてくることがあります。
毛周期に合わせて適切な期間を空けて通わなければ、すべての毛に脱毛の効果は得られません。
部位ごとにベストな施術間隔は異なりますが、おおよそ1.5〜3ヶ月間隔がおすすめです。
以下の記事では、医療脱毛で最適な間隔について解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
医療脱毛の適切な間隔は?部位ごとの間隔や間隔が適切ではないとどうなるか解説
適切な回数まで受け続ける
医療脱毛完了後に毛が生えてこないようにするには、適切な回数まで施術を受け続けることが大切です。
成長期の毛は全体の10〜20%しかありません。
そのため、医療脱毛を完了させるには理論上、最低でも5回の施術が必要になります。
「見えている毛が無くなったからやめよう」と勝手に判断し途中でやめてしまうと、休止期であった毛が成長期になってまた生えてくるでしょう。
毛周期・部位・毛質・照射具合によって、必要な施術回数が変わってきます。
そのため、クリニックで指示された回数を守りましょう。
医療脱毛の効果が出るまでの回数についてさらに詳しく知りたいという方は、以下の記事も併せて参考にしてみてください。
医療脱毛は何回受ければ効果が出る?部位や回数ごとの効果も解説
日焼け対策とスキンケアを徹底する
施術の前後に日焼け対策とスキンケアを徹底することも、医療脱毛完了後に毛が生えてこないようにするコツの1つです。
施術の際に肌のコンディションが悪いと、肌トラブルにつながったり痛みを感じやすくなったりします。
また、せっかく施術を受けても十分な脱毛効果が得られないこともあります。
そのため、普段から日焼け対策とスキンケアを徹底し、特に施術の前後は過度な日焼けと乾燥に気をつけましょう。
【部位別】医療脱毛で毛が生えてこなくなるまでの適切な回数
ここでは、部位別に医療脱毛の適切な施術回数を紹介します。
それぞれ適切な回数を受け、効果の高い医療脱毛を実感しましょう。
全身|10回以上
全身脱毛を完了するには10回以上の施術が必要です。
全身の毛にはさまざまな毛質が混在しています。
また、医療レーザーにもさまざまな特徴があり、反応しやすい毛質やしにくい毛質があります。
全身脱毛の場合、8回程度で自己処理が不要になり、完全に産毛もなくすには最低でも10回は必要になるでしょう。
顔|10回以上
顔の脱毛は、8回程度で自己処理が不要になり、完全に産毛もなくすには最低でも10回は必要になるでしょう。
顔のムダ毛はほとんどが産毛で、黒い色素(メラニン)が少ないです。
医療レーザーはメラニンに反応するため、産毛の場合、施術回数が多くなります。
ただし、顔の毛は毛周期が短く施術間隔が短いため、大幅に施術期間が長引くことはないでしょう。
脇|6回以上
脇は5回で自己処理が不要になり、6回以上施術を受ければ脱毛が完了するでしょう。
脇の毛はメラニン色素を多く含むため、脱毛効果を実感しやすいです。
そのため、早ければ1〜3回で自己処理が不要と感じる方もいます。
秋ごろに脱毛をスタートすれば、翌年の夏には自己処理せずに夏のファッションを楽しめるでしょう。
以下の記事では、脇の医療脱毛でおすすめのクリニックを紹介しています。
脇の医療脱毛を受けようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめの脇の医療脱毛クリニック比較7選!選び方やメリットも紹介
VIOライン|10回以上
VIOラインでは、完全にツルツルにするためには10回以上が必要です。
ただし、VラインとI・Oラインでは毛量や毛質が異なるため、必要な回数も異なります。
VIO脱毛は好みの形にするデザイン脱毛から、全くツルツルの状態にするハイジニーナまでさまざまです。
これらの要望からも、必要な回数が変わります。
腕・足|6回以上
腕・足は、ツルツルに脱毛完了するまでに6回以上施術を受けることになるでしょう。
腕や足の毛は長さがあり毛量も多いため、医療レーザーによる脱毛効果を実感しやすいです。
5回程度の施術で自己処理が不要と感じる方も多いです。
そのため、早い段階から腕や足を出したファッションを楽しめるようになります。
以下の記事では、足脱毛の範囲や適切な期間・回数について解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
足(脚)脱毛とは?足脱毛の範囲やメリット適切な期間・回数を解説
また、以下の記事では、部位別の適切な脱毛の間隔について紹介しています。
脱毛する間隔について気になるという方は、ぜひ参考にしてください。
【部位別】医療脱毛で間隔を開けすぎるとどうなる?適切な間隔が大切な理由や早く終わらせるコツについても紹介
まとめ
この記事では、医療脱毛しても毛が生えてくる理由について解説しました。
一般的に、毛周期に合わせて適切な間隔で適切な回数の施術を完了すれば、2度と生えてくることはありません。
しかし、施術時に毛周期がずれていたり、施術後にホルモンバランスが崩れたりなど、さまざま要因によって毛が生えてくることもあります。
この記事を参考に、施術後に毛が生えてこないような医療脱毛を計画して、ツルツルの肌を楽しみましょう。
記事監修医師プロフィール
美容皮膚科医,慶應義墊大学医学部卒
慶應義塾大学病院、大手美容皮膚科での勤務を経て2021年独立。
日本レーザー医学会正会員。
効果と安全性を最重視したレーザー治療を提供。
